2017年2月20日月曜日

チタンワイヤー&チタンクラプトンのすゝめ

今更ながらチタンワイヤーを攻略してみた。
手を出す前は酸化チタンの恐怖への先入観で敬遠していたが、
あれこれTCワイヤーを試すうちに熱容量の特性に興味を抱いて
調べるうちに酸化チタンの恐怖も過剰反応であることに気付き
もうチタンクラプトン最強でいんじゃねに至った。






# 各素材の性質を比較してみる


# チタンの特徴


  • 抵抗はステン系よりやや低い
  • 温度による抵抗値変動あり、ニッケル程ではない、NiFe系と同等、ステン系より大きく変動
  • 体積比熱(熱容量)が小さい、チタン<カンタル<その他
  • 熱伝導率はよくわからん(情報がマチマチで信頼性に欠く)
  • 製品によってビヨンビヨンだったり脆かったり
  • テンパーカラーがカラフルで綺麗
  • ガンクが付きにくい(ただしウィックは真っ黒になる)
  • 燃焼の危険がある
  • 酸化チタンの恐怖がある(本当に?)
  • そのためTC推奨とされている




# 体積比熱(熱容量)の小ささはメリットだろうか?

体積比熱が小さいということは熱しやすく冷めやすい。大きければその逆だ。
ステンレスは体積比熱=大、カンタル=中、チタン=小だ。
熱しやすいということは・・・立ち上がりに強い。
冷めやすいということは・・・残る熱が少ないので効率的なエネルギー消費となる。
熱容量を等しくした場合に体積は体積比熱が小さいほうが大きくなるので、
重要なパラメーターのひとつ、表面積をより広く確保することができる。
この場合は立ち上がりの強さを捨ててしまうことになるが、大きなメリットであろう。

# 酸化チタンの恐怖を払拭する

まるで恐怖の白い粉扱いされているが、
高温にしなくても常温で酸化皮膜できてるんやで?
酸化皮膜=酸化チタンの膜だし。
加熱によって酸化皮膜の厚さが増すと色がつくし。
なお600℃~がボーダーと言われているが、この温度ではかなり長時間熱しないと
ボロボロ剥がれ落ちるまでいかない。
さらに高温まで持っていくと燃焼が発生し一気にボロボロになる。
通常使用においてこの状態になることはまず無い。



さて、この白い粉は確かに主な成分が酸化チタンであろうが、
これ本当に人への発ガン性があるのだろうか?
いくつかある機関のなかでIARCだけが疑う分類で、
その他はすべて分類できないとしているようだ。
極端な実験でネズミーに腫瘍ができたとして、それは意味があるのか?
また酸化チタンと一括りにしているがルチル型、アナターゼ型などの
性質の違い、粒子サイズの違いで事情は異なりそうではある。
酸化チタン製造工場で働いていた方々に有意な増加がなかったのなら
好き好んで毎日白い粉スーハーするとかじゃなきゃ問題ないっしょ。
Vapeをすることのリスクと比べたら大したことないっすわ。
むしろ他の素材より安全という線まである。
ドライバーン(笑)は毒物の匂いするし。

ちなみに65℃以上の熱い飲み物は2Aで恐らく発ガン性があるそうだ。猫舌大勝利!
しかしラーメンの熱いスープを飲めないなんて死ぬのと同義であろう。
というわけで、それがし的なリスク評価では酸化チタン怖くない。

# チタンのイケてないポイント

多くのワイヤが汚い。拭くと黒いのべちょー。
いくら拭いても汚れが取れないワイヤまである。
汚いワイヤはクラプトンで用い辛い・・・。
今のところクリーンなチタンワイヤはUSのTEMCoのみ。
国産を謳うVapeHackのワイヤですら汚かったぞコラ。
Provapeのワイヤは試してないけどどうなんだろうか?
TEMCoワイヤはeBay経由で購入。送料クッソ高い。
eBayがアレすぎて送料まとめがうまくできなかったけど、
余剰分をちゃんと返金してくれた。ありがとー!
ただTEMCoワイヤも完璧でななく柔らかいのは良いのだが脆い。
32Gあたりからちょっと傷付けて引っ張るだけでブチッといく。
超ナロー系クラプトンの芯線には心もとない。



# チタンワイヤの線径選択

こちらに投稿した通り、Kanthalより1段太いワイヤが使える。
2mm径なら26Gマイクロ、2.5mm径なら24Gマイクロ、3mm径なら22Gマイクロが良いだろう。
1段太いということはそれだけ表面積は大きくなる。
ただ、抵抗値が低くなりすぎる傾向があるのでそこには注意されたい。



# チタンの焼き方

低電力Wでゆっくり加熱。出力は線の太さによるが5〜10W程度。
TC機能があるModの場合はNi200のプロファイルを使う方法が使える。
Ni200の250℃設定でチタンはおよそ414℃、300℃設定でおよそ500℃になる。
ファイア中に抵抗値が出るModならそれを見るのも良いだろう。
20℃の基準抵抗値から2倍で300℃、2.4倍で400℃、2.7倍で500℃、3倍で600℃だ。
ただしホットスポットには細心の注意を払うべし。
最初は大体ムラがあるので少しずつ温度を上げていったほうが良い。
暗い場所でほんのり赤くなるのを確認しながらやると良い。

ムラムラで美しくない焼け色・・・。

# チタンdeクラプトンのすゝめ

さて、チタンの特性はクラプトンにすることで更に強まる。
以下は各線径におけるそれがしのオススメクラプトンセッティングである。

2mm径では細いチタンワイヤの選択肢がないのでアウターはSS316Lの40Gを用いる。
Kanthal 38Gのほうが熱容量的には良いのだが焼き色の判断が付きにくいので
SS316Lを使用している。紺色まではSS316L、Titanともに似たような色変化をする。
それがしはKayfun Mini V3およびDoggy(Clone)にこれを投入している。くっそ美味い。



2.5mm径ではやや熱容量比を小さく取って落ち着いた。
ウィックにキュプラ(レーヨン)を使用しているためか熱をリキッドに奪われている感が強かったため、
コイルの熱容量を高くすることにしたのが上手くハマったようだ。
例のパラメーターは内径が太い場合は低くしたほうが良さそうにも思う。
Kayfun 5やNoToy(Clone)にはこれで無敵になった。
この組み合わせは3mm径も実用範囲内にありNoLegalには3mm径8巻のデュアルで使用中。



3mm径・・・はそれがしあまり使わないのだけど、こんなもんかなぁ。
Kayfun 5に3mmで入れてみていい感じではあったものの、やや大味になったので
2.5mmのセッティングに戻した。
まもなくゴツい系RTA/RDA(OBS Engine/Goon)が届くのでそれで試してみたい。

# 外道:チタンdeメカニカルの巻

酸化チタンの恐怖はジュースがちゃんとウィックに来ていればまずないので、
メカニカルで使っても良いのではないだろうかと思った。(自己責任で!)
抵抗値変動があるけど、これはプリヒートとして効くのではないだろうか?
0.5Ω@20℃のチタンコイルに3.7Vを掛けた場合・・・
20℃=27.38W、200℃=16.46W、250℃=14.82Wとなっていい塩梅なような?
ということでPico Squeezeでやってみた。0.4Ωを狙ったつもりが0.32Ω・・・。
芯線28Gの使ったつもりが26Gだった模様ヽ(゚∀。)ノ
これだと4.2V時55W(13A)まで行くのでギリギリラインである。250℃付近だとほぼ30W。
DLでいい塩梅で吸えてはいるが、ちとやりすぎたかなー。でも立ち上がり良いね!
まあそんなわけで上手いことビルド決めれば全然イケる。
だけどそれがしめんどいし怖いので使わない!


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